富士吉田市といえば「吉田のうどん」が名物で、地域には60軒以上
の店がある。歯ごたえがありもっちりしたうどんは食べごたえ十分で、
1杯400円前後と手ごろ。
最近は店舗マップやフリーペーパー、WEBによる情報も充実して、
県内外から食べ比べにやってくる。「吉田のうどん」のおいしさの秘
密を探ろうと、日本で唯一
学校公認の『うどん部』がある県立ひぱりが丘高校を訪ねた。
● 山梨県立ひぱりが丘高校 学校公認『うどん部』04年に創部
「吉田のうどん一は富士吉田市の郷土料理同地は溶岩流や火山灰の
土壌のためコメが取れず、小麦麦を使った粉の食文化が栄えた。
昔は主要産業である織物を買い付けに来る業者や、富士山信仰の登
山客に振る舞われていた。地元の人にとっては、正月や結婚式などの
「ハレ(晴れ)」日に出される特別な食べ物だった。
特別な定義はないが、富士山の水を使った硬い麺を使い、馬肉・キ
ャベツを使用したトッピング、みそとしょうゆをブレンドしたつゆ、
すりだねと呼ばれる辛味を入れて食べるのが一般的。
あとは各店でトッピングやつゆ、食べ方などを工夫して味を競っ
ている。
食べ比べてみるのも楽しい。
長い間、郷土料理として親しまれてきたが、00年の市制50周年
を記念してマップを製作したところ一躍脚光を浴びた。
また昨年ひばりが丘高うどん部が発足。PR活動に一段と力が入っ
ている。
同校は04年創立で、6年前からうどん情報を発信してきた。
うどん部顧問の大久保健教諭(40)が情報経理科の授業をするにあ
たり「地域でホームページが必要な業種は何だろう?}と模索。
行き着いたのがうどん店の紹介だった。
現在部員は9人。
主な活動はWEBやフリーペーパーを作ってPRすること。
昨年の夏休みには40軒以上の店を回り、スマホと連動して全店の
うどん動画を完全収録した。
木村陽香部長(18)は「声が掛かれば週に2〜3回イベントに出
ることも。
最近は地元の人にうどん作りを教えたりしています。
「自分が打ったうどんを食べてもらっておいしいといわれたときが最
高です」と話した。店舗にアイデア提供を行うことも。
◇ 実際に打ってもらった。
原材料の配合、富士山の湧水がベースの水を混ぜて手ごね、冷蔵庫で
寝かせたあと足踏み、スープ作り、切る、ゆでる、水でさらして盛り
付け、スープを注いで完成。すりだねを入れていただいた。
手間のかかる作業だったが、うどんの素のおいしさが楽しめた。
【絶景ポイント】
◇「女富士」
新倉山浅間公園から富士吉田市の新倉山浅間公園は、「女富士」と
呼ばれる均整のとれた富士山と吉田の町並みが一望できる絶景ポイ
ント。
日本夜景100選に選ばれ、春は桜、秋は紅葉の名所になっている。
◇ 北口本宮冨士浅間神社
富士山を背に広大な諏訪の森に鎮座。
日本武尊が富士山の遥拝地に定めたのが起源と伝えられ、近世以
降は富士講とのゆかりが深い。
「吉田口登山道」の起点にもなっている。吉田の火祭りは、富士山
の噴火を静める「鎮火大祭」で約400年の歴史がある。
毎年8月26 、27日に行われ、火祭りは「前夜祭」に当たる。
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